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  • 雪舟えまさんと『タラチネ・ドリーム・マイン』のお話
    みつる (06/14)

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ご飯デートに連れて行って(松村由利子一首評)

JUGEMテーマ:ひとりごと

チューリップあっけらかんと明るくてごはんを食べるだけの恋ある/松村由利子

「女くどき飯」というドラマに今さらハマっている。
今さら、というのは、登場人物の服装や街のイルミネーションから推して、
東京その他の都市圏では冬クールに放映されていたであろうと思われるからだ。
わたしの現在の居住地ではそこから遅れることおそらく3か月、
来週ようやく第6話が放映されるというありさまである……地方都市だからね……。

さて「女くどき飯」、なかなかパンチのきいたタイトルだけれども、
これは貫地谷しほりさん演じる主人公のフリーライター・神林恵が
ドラマの中で担当する連載企画のタイトルでもある。
応募者の男性が選んだ「女をくどける店」で、
実際に応募者とご飯デートをし、くどいてもらい、その様子を記事に書くというもの。
おお、これはまさしく「女くどき飯」だ!
(ちなみに原作は峰なゆかさんがぐるなびで連載している同名の漫画。
こちらでは峰さんが応募者の男性とご飯デートに行き、
その模様を漫画にしています。原作も大好きです)。

こうして毎回毎回ご飯デートに行く神林さんを見て、
ああーご飯デートいいわー、と思っているのがわたしである。
毎回ゲスト出演する「女くどき飯」の応募者たちは、
全員何かしらクセはあるものの(バツ5とか)、
話上手で聞き上手、年上も年下も神林さん(とわたし)のツボをガンガンついてくる。
特に第6話の桐山漣くんはやばい。
いやまだ見ていないけど、次回予告だけでやばいと分かるくらいやばい。
そして毎回ご飯がおいしそう。めちゃくちゃおいしそう。
たまたまわたしの居住地では深夜放映されているこのドラマ、
わたしは録画して見ているのだけど、イタリアンも中華も和食もおいしそうで困る。
こんなもんリアルタイムで見ていたら飯テロ以外の何物でもねえわ。

さて、冒頭に書いた短歌は、前からわたしのお気に入りの一首だった。
たとえお付き合いしていなくたって、デートと言えないようなものだって、
好きな人と一緒にご飯を食べるって最高だ。
どんなご飯もおいしくなるわ、と思っていた。
しかし「女くどき飯」を見るようになって、ちょっとこの短歌の解釈が変わった。
神林さんのおいしい顔を見ていると、おいしいご飯を食べるというのは、
それだけでとても楽しいことなんだなと思う。
一緒にご飯を食べる相手がいればなお楽しい。
おいしいですねって言い合ったり、互いの料理をシェアしたり。
そんな楽しいことをしていたら、自然と相手が素敵に見えてくる気がする。
うっかり好きになっちゃってもおかしくない、気がする。
お店を出てしまえば、楽しかったね、の一言で済んでしまうような
ふわっとした気持ちでも、そのときは確かに恋をしているのかもしれない。
それが〈ごはんを食べるだけの恋〉、なのではないかしら。
ひとクセもふたクセもある応募者たちに内心でばしばしつっこんでいる神林さんが
なんだかんだで最後にはころっとくどき落とされてしまうのも、
そんな気持ちなのかなあ、なんて思うのだ。

誰かときちんとお付き合いして結婚というゴールを目指すことも素敵だけれど、
そんな面倒くさいことはしていられないな……と思ってしまい、
そう思った自分自身に軽く絶望することがある。
メールやら電話やらLINEやら、まめまめしいやりとりに
そんなにエネルギーを使わなければいけないのかと首を傾げることもある。
でもご飯デートなんかすると、ほんの少しでも甘い気持ちを持てると、
ずいぶんと呼吸が楽になる。
誰かと一緒にいることは本当は楽しくて嬉しいことだし、
デートのために服やメイクを頑張ることは案外いやじゃないんだなあ、と思う。

だから誰か、わたしとご飯を食べに行きましょう。
くどいたりくどかれたりしなくていいから。
おいしいご飯を一緒に食べて、楽しいことをしに行きましょう。




あこがれの

JUGEMテーマ:ひとりごと

岡野大嗣さんの歌集『サイレンと犀』の装画・挿絵を手掛けた
安福望さんのブログ「食器と食パンとペン」で、
黒井いづみの短歌を絵にしていただきました!
http://syokupantopen.jugem.jp/?eid=1848

わーいわーい!!
いつか取り上げてもらえることがあったらと思い、
ひとつの目標にしていたのでとても嬉しい。ありがとうございます。


好きなひとあなたはわたしの好きなひと唱えるだけのしあわせがある
(黒井いづみ)

 

まばゆいばかりのみどり(阿波野巧也一首評)

JUGEMテーマ:ひとりごと

きみを抱くたびにこころの草原に何度も建てられる家がある/阿波野巧也

マインドパレス、ということばを思い出した。
BBCドラマ「SHERLOCK」の主人公シャーロックは、
自らの記憶を整理するために脳内に作り上げた記憶の宮殿のことを
こう呼んでいるのである。
自分の脳をHDDと呼び、日々膨大な情報をインプットしている彼は
マインドパレスを訪れては必要な情報・記録を取り出したり、
不必要な情報をきれいさっぱり削除したりする。
この短歌の中の「家」も、シャーロックのマインドパレスのように
記憶を保存しておく装置のように思われる。
でもこの「家」はマインドパレスと違って、きちんと整備されていない、
人が踏みこむこともめったにないようなだだっぴろい「こころの草原」にある。
きっと「家」の中も、機能的に整えられてはいないのだろう。
好意を抱く相手を見つめるとき、
人の目はまぶしいものを見るときのように瞳孔が開くので、
好きなのにはっきりと顔を思い出せないらしいから、
「きみ」に関する記録は意外に残っていなくて、
この「家」もあまり役目を果たしていないのかも。
それでも「きみ」が好きで、「きみ」を覚えておきたいという思いがあるから、
この「家」は「何度も建てられる」のである。

この短歌を読んだとき、寺山修司作詩・信長貴富作曲の合唱曲が
しばらく頭に鳴り響いて離れなかった。
「こころの草原」は、わたしにはヒスイと同じ、まばゆい緑色に見えている。

無伴奏混声合唱のための『カウボーイ・ポップ』より「ヒスイ」
https://www.youtube.com/watch?v=7MQB40QJZQ4


うつくしくなったつもり

JUGEMテーマ:ひとりごと

気づいたら5年目でした。
今年の目標(しなければならないこと)は親知らずを抜くこと、車を買うこと。

+++

ひと息が長いあくびでオクターブなぞって降りる休日である


パーマでもかけてみようかとりあえずきみにモテたらよい人生だ


伸びをした手を振りおろす勢いでラジオ体操始めてしまう


きみが好き いつも聞いてるあの曲をいつも好きだと思う感じで


電気毛布のスイッチ入れてどうせならきみに甘やかされたい夜だ


出来そうで出来ないえくぼ でももっと笑いたい いいことがあるといい


うつくしくなくてもずっとここにいて好きな服だけ着て生きてやる

 

キーワードは「ファッション」

JUGEMテーマ:ひとりごと

NHK短歌で胸キュンhttp://www.nhk.or.jp/tankahaiku/munekyun/index.html
のテーマが「ファッション」だったので、
自分の短歌の中から「ファッション」ぽいものを。
なんとなく冬から秋へのグラデーションになるイメージ。

ファッション、大人になってからすごく楽しい。
最近はやりのワントーンも素敵だけれど、
好きな色・柄をがんがん合わせていくのがやっぱり楽しいなーわたしは。
これはお子様ランチ的な発想ですね。自分の欲張り加減がおもしろい。

+++

運命の糸をほどいて何度でも君とマフラー編み直したい

雪を呼ぶほどにレースはやわらかい カーディガンなら灰色が好き

嘘がほんとになっちゃいそうな鉛空 リボンのついたブーツで走る

買ってすぐつけてみているネックレス鎖骨に月を乗せる気持ちで

ひとつだけお願い聞いてくれるならメガネをかけてみせて、って言う

スカートのひだをひとひら、ふたひらと数える 春は今ここにある

弱点が見つからないよ ジャケットを着ると撫で肩になる、くらいしか

かわいいねその服(着てる人見るの今日だけでもう四人目だけど)

ワンピースばかり着ている どうしても好きになるよりほかなかったの

いいニュースも悪いニュースも聞いている いちばん好きな服がお守り

夏になれば夏のブラウスひらめいて今このときの君が好きです

スカートを脱ぎたくなってしまうけど穿くのを忘れそうで脱がない

ブラウスにしみひとつなくボロネーゼ食べきりたいの女の子なら

似合わないのを知ってても着たくなる虹の模様のTシャツがある

街に出る日はワンピース うつくしい夢をたくさん拾えるように

スカートのすそ蹴散らして眠るときあなたの見たい肌なんてない

誰だってかわいい服を着る子よりかわいい服が似合う子が好き

空と同じ色のブラウス抱き寄せてあなたも会いたくなればいいのに

よいタイツわるいタイツがあることを穿いてはじめて分かったりする

思うさまあなたの好きにしていいよ風に嵐にひかるスカート



寄り道の練習

JUGEMテーマ:ひとりごと

天気予報が雪の日に限って陽が差すのはなんでだろう。
明るいのは嬉しいんだけど、ふしぎー。

+++

本当のお兄さんならいないから気安くお兄さんと呼びやる

空き部屋に取り囲まれて誰からも壁ドンされる心配はない

ありがとう 狭い心のすき間でもちゃんと見つけて入ってくれて

寄り道がちょっと苦手なだけだから一途だなんて褒めないでほしい

黒髪のままで生きたいもしかして茶髪のほうが似合う顔でも

悲しいとすぐ赤くなる肌のくせ人の作ったものには強い

ワセリンで濡らすくちびる さみしくて風邪を引くことあるかもしれない

突然に結婚してもしなくてもよい一年でありますように

ほどほどのわがままなので君の言うことは何でも聞いてあげたい

雪の日も雪降りながら陽は差して半透明の春が来ている






 

火花散るモノローグ

JUGEMテーマ:ひとりごと

物語のクライマックスよりもモノローグが好きだ。
ドラマチックな展開も何もなく、ただ真摯につむがれる言葉が好きなのだと思う。
最近はインタビュー番組を見るのも好き。自分のひとりごとさえ好きかもしれない。

「宮崎美子のすずらん本屋堂」、上橋菜穂子さんの出ていた回を見た。
上橋菜穂子さんは書くだけじゃなくお話しされるのも上手で、
どのお話も面白かったのだけど、特に印象的だったのが、
上橋さんが『鹿の王』を書き始めるきっかけになった本の話。
『破壊する創造者』というウイルスに関する本で、
その本を読んだ次の朝、目が覚めたら病に冒された男の人の後ろ姿と、
それを追っていく小さな女の子の姿が見えた、と上橋さんは言っていた。
何事もなく流れていくように見える日常の中でも、
わたしたちはずっと何かを考えたり感じたりしていて、
ささいなことでさえも結びついて一瞬でぱーんとスパークして
物語になったりすることがあるのだと思って、ああこの番組見てよかったなあと思った。
わたしたちが毎日ふつうに生きているだけで、そんなふうに誰かの中で
うつくしさや幸福のかたまりが生まれたりするのだと思うと、
もしかしたらわたしのひとりごとさえそんなスパークにつながるのだと思うと、
どうしようもなく目の奥が熱くなってどろどろに濡れるような感じがする。

誰かの言葉に触れるのは、誰かの考えを取りこんでいるみたいな快感がある。
だからインタビューが好きなのかもしれない。
好きな人のものの考え方を内側からトレースするような気持ちよさ、
というのは雪舟えまさんの小説『プラトニック・プラネッツ』から借りた言葉です。
雪舟さんの小説を読むときは本当に、こんな気持ちを自分の中に取りこみたい、
と思って繰り返し繰り返し読んでいる気がする。
たくさん本を読んだり舞台を観たりしていたら、
その分だけいい人になれるような感じがするのもそのせいかな。
楽しいことだけしてるみたいで、ちょっと他人任せだなと思わなくもないけれど。


次もまためくるかどうか分からないページにばかり栞を挟む
(黒井いづみ)
※10首連作「かたおもい」より<『外大短歌』第2号掲載>


雪のお作法

JUGEMテーマ:ひとりごと

松岡修造さんが帰国したのでまたあたたかくなるともっぱらの噂。
ついでにお天気もよくなるといいなー。
風がびゅんびゅん言ってる町にて。


+++


句読点ゆっくり宙に打ちながら歩く何にもない帰り道

マスカラが溶けちゃう前に消えていく雪には雪のお作法がある

くちびるを舐め続けてた キスしたらこんな味だと思いたくって

風のない雪の日が好きみんなしてスロー再生されていようよ

リノリウム 言葉だけでも冷たくて脚に毛布を巻く訳を知る

ときめきが買えるものなら買うでしょう一生分を出世払いで

晴れたならぽかんと晴れる冬の日の空だけ見たらもう春みたい

ウォーリーをふたりでさがす ウォーリーはふたりがかりでさがされている

運命の糸をほどいて何度でも君とマフラー編み直したい

日陰から日向へわたる膝裏をぽこんぽこんとあたためながら
 

似合わないのを知ってても

JUGEMテーマ:ひとりごと

イヤークリップを買った。
雑誌で見かけてずっと気になっていたのを、たまたま駅ビルのお店で見つけて、
そのまま引き寄せられてしまった。
いろんな色の小さな石をぎゅっと寄せて配置した、小ぶりの綺麗なやつ。
対になっているのは三日月をあしらったイヤーカフ、
これは軟骨あたりにつけるのだと店員さんが教えてくれた。

昔だったらこんな綺麗な色の、いやそもそもアクセサリーじたい、買わなかったと思う。
きっと欲しくてたまらなくて、でも似合わないよなあってじめじめ考えこんで。
実際のところわたしは何をしてもいいし何を着てもいいのだと気づいた、
あれはわたしのもうすぐ25年目に入る人生で史上最大の発見だった。
似合う/似合わないの問題じゃなく、誰かに見せるためじゃなく、
わたしのために好きでいるのだということ。
それ以来、ちまちまと洋服のレパートリーの幅を増やしたり、
イヤークリップを集めたりしている。
何を好きでもいいんだということの、ささやかな証明として。あまやかな抵抗として。

もったいなくて箱におさめたままのイヤークリップを手持ちの服にあてがっては、
どんな感じになるか見ている。黒のケーブルニットに合いそうだなと思う、
それだけで心の澱が吸い取られていくみたい。
そうやって何度でも、わたしはわたしに思い出させる。
わたしはどんなふうに生きてもいいのだということ、
どんなに幸せになってもいいのだということ。
あなたの知らないことをわたしはちゃんと知っている。
軟骨に引っかけたイヤーカフは髪に隠して、明日も笑ってみせよう。



似合わないのを知ってても着たくなる虹の模様のTシャツがある
(黒井いづみ)
※連作10首「かたおもい」より<『外大短歌』第2号掲載>

マラリーに行ってきた話その2

JUGEMテーマ:ひとりごと

11/23(日)マラソンリーディング2014@渋谷LAX
http://marathon-reading-2014.blogspot.jp/

プログラム第一部が終わり、オープンマイクの順番は廣野翔一くんの次。
廣野くんが場慣れ(被写体慣れ?)していてやばい。
電話するふりしたり、この場にいない藪内亮輔さんを引き合いに出したりして
じゃんじゃん笑いをとっていくので、正直、やりにくい!!
反面、よく分からない負けず嫌いなので、やり返してやろうとも思う。
マイクなしでやるつもりだったのだけど、人が思ったより多くてざわざわしていて、
声を張りながら読みたいように読める自信がなく、マイクを受け取る。
受け取った後で、マイクを持ったままページをめくるのは難しいのに気づく。
気づいてますます楽しくなるので、わたしというやつはたちが悪い。

噛まないように、カットするところだけ忘れないように、と思っていたら
あっという間に終わった。でも楽しかった。ちゃんと読みたいように読めた気がする。
金魚ファーのおふたりに喜んでもらえたみたいでよかった。
廣野の後はやりにくいよね、といろんな人に言われて、やっぱり、と思う。

わたしが読んだ掌編には蒔生先生という人が出てくるのだけれど、
沼尻つた子さんに「蒔生先生は女の人ですか?」と聞かれて
「男の人です」と答えたら、「えー女の人だと思ってた!」と言われてはっとした。
耳で聞いただけでは分からない箇所はカットしたつもりだったけど、
そう言えば〈まきお〉は〈牧緒〉とかにもなりうるんだな。うかつ。
でも、まさに掌編の中で書いたことだけれど、
わたしが見た蒔生先生はわたしだけのもので、
つた子さんが聞いた〈牧緒先生〉はつた子さんだけのものだ。
他にもいろんな人がいろんな先生を聞いたはずで、だからどっちでもいいや、と決める。

  紙吹雪そっと手に乗せあなたにはあなたの蒔生先生、あげる

第二部、なんと言っても印象的だったのが石川美南さん。
夏目漱石の『夢十夜』にちなんでご自分の悪夢の話、『わたしの夢十夜』。
夢に出てきたファミレスの歌が面白すぎた(ファミリーレストラン、カリスマー♪)。
あと、馬場あき子さんが最前列にいたら確かに怖い。めちゃくちゃ怖い。
第三部までの間、馬場めぐみさんと初めてお話しした。
なぜかBLの話をする。好きなキャラの扱いとか、鈴木達央さんはやばいとか。
廣野くんが食べているのを見たらどうしても食べたくなってしまって、
ふたりして堂園さんのドライカレーを注文する。めちゃくちゃおいしい。
そんなことをしていたらいつの間にか16:00で、またしてもスケジューリングが甘い。
次の約束のためまたもや汗だくになって乗り換えたのでした。

文学フリマの話に続く。


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