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すべてはいっときの恋(五島諭一首評)


物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋
/五島諭(『緑の祠』書肆侃侃房 p.19)

好きな短歌の話をしようと思いながら、なかなか書けずにいた。そのときの気分で好きな短歌は変わるから。
でもいちばん好きな短歌を1首選べと言われたら、どんなときでもきっとこれを選ぶ。この短歌が収録されている歌集『緑の祠』が出版されたのが2013年で、それ以降の4年間ずっと、わたしの選ぶナンバーワン短歌はこの1首だ。どれくらい好きかというと、思い浮かべるたびに胸がうずいて吐きそうになるくらい。比喩ではなく、ときめきすぎると本当に胸がぐるぐるっとなるんです。

この短歌を思うとき、わたしは日差しを感じる。夏の直射日光ではなくて、空気じたいがやわらかく発光しているような晴れの日のやつ、小春日和のイメージ。でも光をあらわす語はひとつも出てこない。
じゃあどこから日差しを感じているんだろう。《物干し竿長い長いと振りながら》って、ぜんぜん特別なことは言っていない。そりゃあ物干し竿なんだから長くないと困るわい、ってつっこみたくなってしまうくらい。でもそういうどうでもいいことで《笑う》のって、後々になっていちばん残しておきたかったのに残らない瞬間になるのかな。その瞬間を尊い、まぶしい、と思うから、日差しを感じてしまうのか。
その、尊い、まぶしい、という気持ちのど真ん中を、《すべてはいっときの恋》でぶち抜いてくるからずるい。毎度毎度ときめきすぎて吐きそうになってしまう。好きな人がすることだったらなんでも、それこそ物干し竿を振り回してはしゃいでる姿もかわいくかっこよくまぶしく見える、そういうささいな瞬間すべて、《いっとき》だけで記憶にも記録にも残らないものでも愛するのだ、と言いきってしまう感じ。《すべてはいっときの恋》じたい相当なキラーフレーズだと思うんですけど、その前の《物干し竿》との組み合わせが完璧すぎるんですよ……好き!!

わたしの中ではこの短歌のイメージソングまで決まっている。スピッツ「君と暮らせたら」「日なたの窓に憧れて」「恋のはじまり」の3曲(1曲に絞れなかった)。
そもそも『緑の祠』という歌集じたい、とてもスピッツっぽいと思います。スピッツリスナーの方にぜひ読んでほしい。



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